保険の基礎知識

保険金の受け取り連絡がない、どうして?まずは「請求」が必要です

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入院をしたとき。

家族の不幸があったとき。

加入している保険があれば、保険金・給付金を請求できます。

しかし、入っている保険会社から、請求を行うようあなたのもとに連絡が来ることはありません

保険会社は保険事故の発生を知り得ませんから、何かあったときはあなたから保険会社に連絡しなければいけません。

 

では、請求はどのようにして行うのでしょうか。

いざというとき慌てないように、請求の流れを知っておきましょう

 

保険の請求漏れに注意

冒頭にも述べましたが、保険の請求をしたいときは、自ら保険会社に連絡を行い、行動を起こさなくてはいけません。

しかしながら、自分で請求の手続きを行えない特別な事情を抱えるおそれもあります

請求漏れにならないように、まずは以下の3点に気をつけてください。

 

自分の保障内容を知ること

自分が入っている保険にどのような保障があり、どのようなときに役に立つのか、きちんと確認しておきましょう。

言われるがまま保険に加入し、その後何年も見直しを行っていない方は、特に注意が必要です。

保険会社から定期的に届く「契約内容確認のお知らせ」などの書類には必ず目を通してください。

 

特に見落としやすいポイントとして、以下のようなものがあります。

  • 医療保険に通院保障は付いていませんか?
  • 日帰り入院も対象になる保険ではありませんか?
  • どのような手術が対象ですか?
  • 生命保険は、高度障害状態になったときにも保険金が下りることを知っていますか?
  • どのような状態になったとき、保険料が免除になりますか?

 

家族にも保険に加入していることや保障内容を共有すること

自分が入っている保険のことを、家族にも知らせることが大切です。

特に受取人に指定している家族には、いざというときに請求手続きを行ってもらわなくてはいけませんから、その旨を必ず伝えておいてください。

 

なお、医療保険の受取人は被保険者本人であることがほとんどです。

しかし、たとえば本人が意識を失ってしまった場合、誰か他の人が代わって手続きを行わなければいけません

が、家族の誰も加入している保険の存在を知らない、あるいは保障内容を把握していない状態だと、請求漏れにつながる可能性が非常に高いです。

 

自分にもしものことがあったときのために、家族や身近な人には加入している保険会社と保障内容について話しておき、保険証券の保管場所を知らせておきましょう

 

指定代理請求特約をつけておくこと

被保険者が受取人と同一である契約で、被保険者が判断能力を失ったとき、あるいは病名を知らずに自分で請求できないとき、あらかじめ『指定代理請求人』を選出しておくことでその人から請求を行うことができます

このような指定代理請求人をあらかじめ指定できる特約を、『指定代理請求特約』と言います。

 

最近販売されているほとんどの保険には、指定代理請求特約が自動で付加されていますが、昔に加入した保険には付いていない可能性があります

本人が請求できない場合、他に受け取れる人がいなければ請求漏れになってしまいますから、必ず特約をつける手続きを行っておきましょう。

 

保険金・給付金を受け取るための手続き

保険金・給付金を受け取るための手続きの流れを知っておきましょう。

支払いまで、どのくらいの日数がかかるのでしょうか。

 

まずは保険会社の請求専用窓口か代理店に連絡

まずは加入している保険会社や担当の営業社員、契約を行った代理店に連絡をしましょう。

保険会社によっては、請求連絡を受け付ける専用窓口を設けている会社もあります。

なければ、コールセンターでもよいでしょう。

また、最近では、ほとんどの会社にインターネットから請求書類を取り寄せられるようなシステムがあります。

 

連絡を行う人は、被保険者や契約者、受取人以外でも、基本的に誰でも構いません

手元に保険証券を用意しておくことで、スムーズに照会が進みます。

家族が電話する場合、本人の生年月日・住所もわかるよう手元に準備しておくとよいでしょう。

 

連絡のタイミングですが、生命保険の死亡保険金の場合、被保険者が亡くなった時点で行います。

危篤状態になったからと亡くなる前に連絡をしようとする方もいるのですが、亡くなってからでないと基本的に必要書類を送ってもらうことはできません。

 

また、医療保険の給付金(入院・手術など)の場合は、入院・手術が決まった時点で連絡することをおすすめします。

保険会社所定の医師の診断書が必要となるため、入院前に手配し、退院とともに受け取れるようにしておくとスムーズだからです。

 

書類が届いたら、必要書類を揃えて返信

保険会社で請求連絡を受け付けすると、数日のうちに書類が届きます。

送られてくる書類は、会社にもよりますが、以下のような内容が多いです。

 

〈給付金の場合〉

  • 請求書類のご案内(必要書類などが書かれているもの)
  • 入院証明書または入院申告書
  • (通院請求なら)通院証明書、(介護給付請求なら)介護証明書など
  • 給付金請求書
  • (ケガによる請求の場合のみ)事故状況報告書
  • 返信用封筒

 

〈死亡保険金の場合〉

  • 請求書類のご案内(必要書類などが書かれているもの)
  • 死亡証明書
  • 給付金請求書
  • (ケガによる請求の場合のみ)事故状況報告書
  • 返信用封筒

 

請求書類のご案内に従って書類を揃え、返信用封筒に入れて投函すれば手続きは完了です。

 

給付金・保険金が支払われるまでの日数

保険金・給付金の支払いは、保険会社に書類が到着してから「5営業日以内」に行わなくてはいけないことが約款に定められています。

最近は各保険会社とも迅速な支払いに努めており、実際の支払いまでの平均日数はもっと短いと思われます。

もしも理由なく口座への振り込みまでに5営業日以上要した場合、保険会社は一定の遅延利息を給付金・保険金とともに支払わなくてはならないことになっています。

 

ただし、書類に不備があった場合は、不備が完了するまで支払いが行われません。

 

【書類に不備があった場合】

必要な書類が揃っていない、または記入に不備があった場合、これらの書類が揃うまでは支払いができません。

保険会社から届く案内に従って、必要書類を追送しなければいけません。

 

【調査が必要となる場合】

提出した診断書などになんらかの不明点があったり、告知義務違反が疑われたりし、保険会社が調査を行う場合、支払いまでに時間を要します。

ただし、行う調査の内容によってそれぞれ期限が決められており、保険会社はその期限内に支払いを行わなければならない決まりがあります。

 

保険金・給付金を受け取るために用意するもの

請求に必要な書類は、請求する内容や受け取る金額によって異なります。

また、保険会社によってもルールが異なりますから、よく確認しながら行ってください。

 

保険会社所定の入院証明書(医師が記入)

保険会社所定の入院証明書を、治療にあたった医師に記入してもらわなくてはいけません。

入院証明書にはご自身では何も記入せず、医師に渡してください

 

診断書の作成には、3,000円〜10,000円ほどの実費がかかります。

この費用は、保険会社は負担してくれません。

もしも複数の保険会社の診断書が必要となる場合は、他社の診断書のコピーの提出で審査を認める会社もありますから、事前に保険会社に尋ねておくことをおすすめします。

 

【簡易請求を認めるケースも】

短期入院で、かつ手術給付金の請求がない場合は、請求金額が少額であることと、診断書取得代金の負担を考慮して、医療機関で発行される領収書の写しや退院証明書の提出で請求を認める場合があります。

同時に、入院の日付などを自分で報告する『入院申告書』を記入しなければならない会社もあります。

 

【通院証明書、介護証明書など、請求内容に合わせた証明書を取得】

入院給付金以外の給付金を請求する場合は、その内容に合わせた証明書の取得が必要となります。

たとえば、通院給付金なら『通院証明書』、介護給付金なら『介護証明書』、高度障害保険金なら『後遺障害診断書』などが必要です。

保険会社から送られてくる内容をよく確認し、医師の証明を取得しましょう。

 

保険会社所定の死亡証明書(医師が記入)

死亡保険金の請求にも、医師の診断書が必要です。

ただし、入院証明書のように新たに取得する必要がなく、病院で必ず発行される『死亡診断書(死体検案書)』のコピーで請求を認める会社も多いので、保険会社のルールを確認してください。

 

保険会社所定の請求書

受取人の指名・住所・振込先の口座情報などを記載する用紙です。

記入は、受取人が行います。

誤りがあれば支払いが遅れる可能性がありますから、正確に記入してください。

もし受取人によって記入できないなんらかの事情がある場合は、保険会社に相談してみてください。

 

被保険者・受取人の本人確認書類

被保険者と受取人、それぞれの本人確認書類が必要です。

請求内容によって提出する本人確認書類が以下のように変わります。

また、保険会社によっては金額に応じて簡略化を認めていることもありますから、確認してみてください。

 

【死亡保険金の場合】

被保険者の戸籍謄(抄)本または住民票(死亡記載のあるもの)、受取人の印鑑証明書の原本

 

【給付金の場合】

被保険者、受取人それぞれの健康保険証・運転免許証などのコピー(被保険者と受取人が同一である場合は一通)

 

事故状況報告書(ケガによる請求の場合のみ)

不慮の事故による保険事故発生の場合、事故状況報告書を記入しなければいけません。

事故の状況の詳細を、わかる範囲で自分で記入してください。

さらに、交通事故の場合は事故証明書が必要となることもあります。

 

保険証券

請求によって契約が終了する場合(死亡など)、保険証券は保険会社に返却します。

 

その他、請求に関して知っておくべきこと

他にも、請求に関して以下のような注意点があります。

 

請求の時効は3年

請求の時効は、原則「3年」と定められており、3年以内ならどれだけ遅れても請求することができます。

しかし、3年を過ぎてしまうと請求権利を失ってしまうおそれがあります。

もしも請求漏れがあり、3年以上経過してしまった場合は、保険会社に相談してみてください。

 

入院中に請求することもできる

長期入院をする場合や、予定よりも入院が長引いた場合、途中で一旦医療保険の入院給付金を請求したいこともあるかもしれません。

そのようなときは、入院中に請求を行うことも可能です。

ただし、請求の都度入院証明書の提出が必要になりますから、診断書の取得代金もその分かかってしまいます。

 

入院中の給付請求は、実費負担が増えることを認識したうえで行いましょう

 

指定代理請求人が請求を行う場合、注意すべきこと

指定代理請求人は、本人に請求を行えない事情がある場合に、本人に代わって手続きを行うことができます。

本人に余命宣告をしていないが、リビングニーズ保険金(余命半年と診断された場合に請求できる保険金)を請求したいとき、本人にがんの告知をしていないが、がん保険の給付金を請求したいときなどに役立ちます。

 

しかし、請求を行う際はくれぐれも注意が必要です。

本人が保険料の支払いが止まっていることに気づき、契約が終了していることを不審に思うかもしれません。

保険会社からの書類を見て、「自分はがんなのかもしれない」と気付く可能性だってあります。

請求は、病を抱える本人への配慮を念頭に行ってくださいね

 

要点を押さえて保険の請求漏れを防ぎましょう!

保険の請求の流れと、どのような書類が必要になるのかを把握することで、いざというとき、少しでも不安を軽減することができるでしょう。

入院費をすぐに支払わなければなければいけない、葬儀代を一時的に支払わなければいけないといった緊急事態でも、冷静に一つ一つ確認しながら手続きを進めてください

 

また、『保険金不払い問題』が騒がれてから、保険会社各社も支払い漏れのないよう厳しくチェックを行っていますが、まずは自分自身の契約内容をしっかり把握することが支払い漏れを防ぐ重要な方法です。

「これは請求できるのかな?」と少しでも疑問に思うことがあれば、遠慮なく保険会社や担当代理店に尋ねてみてください。

いざというときのために保険をしっかりと役立ててくださいね。

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