保険の基礎知識

加入年齢によって保険料は変わる!なら、受け取れる保障額は?

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「保険は若いうちに加入したほうが、支払う保険料が安い」といったことを耳にしたことはありませんか

加入する保険種類・保障金額が同じであっても、保険会社に支払う月々の保険料は人によって異なります。

保険会社は、被保険者の年齢、性別、その他の条件を加味し、保険料を細かに決定しているためです。

 

では、なぜ保険料は一律ではないのでしょうか

今回は、年齢によって保険料の異なる保険のカラクリについて解説します

 

個々の保険料の決定方法

保険は、同じ保険種類・同額の保障であっても、被保険者によって保険料が違います

差が生まれる大きな要因は、契約年齢です。

その他にも、性別、健康状態、保険料の支払期間、払込回数、払込方法などが影響します。

 

契約年齢による保険料の違い

保険は『公平性の原則』のうえに成り立っています。

おじいさん、おばあさん、働き盛りの男性、妊娠中の女性、小さな赤ちゃん、すべての人から同じ額の保険料を集め、そのお金を原資に、死亡したり、入院したりした人にだけ保険金・給付金を支払うシステムでは、不公平だと感じませんか? 

誰もが死や病のリスクを抱えているとは言え、統計的に見ればリスクが大きい人とそうでない人がいることは明らかです。

そこで、公平性が保たれるよう、加入時の年齢によって保険料の金額に差をつけているのです。

 

一般に、保険料は年齢が若いほど安くなる傾向にあります

加入するときの年齢を契約年齢と言いますが、契約年齢の考え方は2通りあります。

 

【満年齢方式と保険年齢方式】

もともと、生命保険は『保険年齢方式』が一般的でした。

これは、契約日現在の満年齢の6ヶ月未満を切り捨て、6ヶ月以上を切り上げて考える方法です。

つまり、29歳7ヶ月と30歳6ヶ月の人の契約年齢は、いずれも30歳となるのです。

しかし、これは消費者にとって理解しづらいルールでした

 

そこで生まれたのが『満年齢方式』です。

契約日時点での満年齢イコール契約年齢とする方法です。

29歳11ヶ月の人が誕生日を迎える前日に契約をすれば、契約年齢は29歳となります。

この方式は、1973年ごろ、外資系保険会社が国内に参入した際に初めて取り入れられ、今やほとんどの保険会社が採用しています

 

性別による保険料の違い

実は、男女によって保険料の金額は異なります

女性のほうが長生きであることはよく知られていますよね。

性別ごとの平均余命の長さを踏まえ、死亡保険の保険料は女性のほうが安く設定されているのです。

 

ただし、医療保険の場合、20〜30代は女性の保険料の方が高く設定されていることがあります

これは、この年代に関して言えば、女性の方が病気のリスクが高いためです。

 

健康状態による保険料の違い

年齢も重要な条件ですが、同じ年齢でも持病のある人と健康な人を同じように扱うのは公平だとは言えません。

そのため、健康状態の悪い人と健康な人を区別して扱っています

 

ほとんどの保険に加入する際は、健康状態の告知または医師の診査が必要です。

この結果が思わしくなければ、保険に加入できなかったり、特定の部位が不担保(保障されない)となったり、保険料が高くなったりします。

反対に、タバコを吸わない、BMIが標準の範囲内、血圧が正常値であるなどの健康な方(リスクの小さい人)には、『健康体割引』を提供する保険が多くあります。

そのため、「保険は健康なうちに加入しましょう」などと言われているのです。

健康を損ねてから保険に入ろうと思っても、保険会社から断られるおそれがあることを知っておきましょう。

 

このように、個々が持つリスクの大小に応じて保険料に差をつけ、実質の負担をなるべく等しくするようなシステムとなっています。

 

保険料払込期間による保険料の違い

契約年齢や性別、健康状態の違いの他に、保険料の払込期間によっても保険料に差が生まれます

払込期間とは、保険料を支払う期間のことで、実は保険期間(保障が続く期間)とイコールではありません

 

商品にもよりますが、終身払い、60歳・65歳払済、10年払済などが選択できます。

退職後、収入が減少するタイミングで保険料を払い終えるように計画を立てることもできるのです。

  • 終身払い:一生涯に渡って保険料の支払いが続くこと。1回あたりの保険料は安くなるが、長生きするほど総支払保険料額は大きくなる。
  • 払済:決まった年齢まで、または決まった期間だけ保険料を支払うこと。1回あたりの保険料は高くなるが、払込期間を過ぎればそれ以上保険料を支払う必要がなくなる。

 

〈参考〉

商品:オリックス生命終身保険RISE(ライズ)

保険金額:200万円

被保険者:30歳男性 の場合

価格.com 2017/12/12時点の情報よりまとめています。)

 

払込方法(回数)による保険料の違い

保険料は、払込回数によっても金額が異なります

払込回数は、一般に以下の4通りです。

  • 一時払い:全保険期間の保険料を一括で支払うこと
  • 年払い:1年間分の保険料を一括で支払うこと
  • 半年払い:1年間分の保険料を2回に分けて支払うこと
  • 月払い:毎月1回支払うこと

 

一度に支払う金額は、当然ながら月払いが最も安く、半年払い、年払い、一時払いの順に大きくなっていきます

しかし、長い目で見ると、最も割引率が高い、つまり保険料が割安になるのは一時払いです

次いで、年払い、半年払いの順に割引率が高く設定され、月払いには割引制度がありません。

12回分の月払い保険料=1回分の年払い保険料ではないことを知っておきましょう。

ただし、月払いの場合も、数ヶ月分の保険料をまとめて払い込むこと(一括払い)で、一定の割引を受けることができます。

また、年払い・半年払い契約の保険料をまとめて払い込むこと(前納)での割引もあります。

 

払込方法(経路)による保険料の違い

払込方法は、以下の5つがあります。

  • 口座振替扱い:口座自動引き落としによって支払う方法
  • 団体扱い:勤務先などの団体を通じて支払う方法
  • 集金扱い:集金担当者に直接保険料を支払う方法
  • 振込扱い:生命保険会社の口座に直接振り込む方法
  • 店頭扱い:保険会社の窓口に保険料を持参し、払い込む方法

 

上記のうち、口座振替扱い、団体扱いの契約には若干保険料の割引が適用されます

その他の方法には、割引制度がありません。

 

保険料が年齢によって変化する仕組み

さまざまな要素が保険料の金額に影響することがおわかりいただけたかと思います。

中でも、年齢による差は大きいため、契約するタイミングを考えることが重要です。

 

予定死亡率が保険料を左右する

予定死亡率とは、過去の統計に基づき、性別・年齢別の死亡者数を予測し、将来の保険金支払いの財源として必要な金額を算出するために用いられる数字です。

予定死亡率が高いほど保険金支払いに備えるお金が多く必要となるため、保険料は上がります

そのため、高齢になるほど保険料が上がるのだと言えます。

 

予定死亡率を求める指標『生保標準生命表』

特定の年齢の人があと何年生きられるか、統計的に予測できる表、それが『生命表』です。

生命保険料の算出に用いられるのは、社団法人日本アクチュアリー会が作成する『生保標準生命表』で、他にも厚生労働省が発表する『完全生命表』(5年ごと発表)や『簡易生命表』(毎年発表)があります。

 

以下に最新の『標準生命表2018』(死亡保険用)を一部抜粋してみました。

 

〈男〉

〈女〉

5歳〜10歳あたりの死亡率がもっとも低く、年齢が上がるほど死亡率も高くなっていきます。

また、平均余命は女性のほうが圧倒的に長いことも統計が表しています。

このような死亡率と平均余命の差を細かに計算したうえで、保険料は設定されています

 

2018年4月に標準生命表が改定

2018年4月に、標準生命表が2007年ぶりに改定されます。

医療技術の進歩や自殺者の減少に伴い、平均寿命が全体に長くなったため、全体の死亡率が下がりました。

そのため、死亡保険の保険料は下がることが予想されます

特に、掛け捨ての定期保険などは大きく値下げが実施される可能性がありますから、保険の見直しを行うチャンスです。

 

反対に、長生きのリスクに備える医療保険や個人年金保険の保険料は上がる見込みです。

加入を考えている保険があれば、改定前後で保険料がどのように変わるのか注目しましょう。

 

赤ちゃん、こども、社会人、お年寄り、一番保険料が高いのは?

具体的な商品に加入することを想定し、それぞれの年齢で加入したときの具体的な保険料を調べてみました。

いずれも、以下の条件で加入した場合を想定しています。

また、各年齢の平均余命から、〈月払い保険料額×12ヶ月×平均余命の年数〉という式を用い、総支払い保険料額を概算してみました(小数点以下切り捨て)。

すべて価格.com 2017/12/12時点の情報よりまとめています。

 

保険種類:終身保険(解約返戻金あり)

保険会社名:東京海上日動あんしん生命保険会社

保険料支払期間:終身払い

保障金額:300万円

 

赤ちゃん(契約年齢=0歳)

〈男〉月払い保険料額:3,378円、総支払い保険料額3,274,092円

〈女〉月払い保険料額:3,102円、総支払い保険料額3,222,109円

 

幼児(契約年齢=3歳)

〈男〉月払い保険料額:3,507円、総支払い保険料額3,319,585円

〈女〉月払い保険料額:3,213円、総支払い保険料額3,227,137円

 

こども(契約年齢=10歳)

〈男〉月払い保険料額:3,870円、総支払い保険料額3,295,846円

〈女〉月払い保険料額:3,513円、総支払い保険料額3,235,894円

 

社会人(契約年齢=30歳)

〈男〉月払い保険料額:5,430円、総支払い保険料額3,355,740円

〈女〉月払い保険料額:4,791円、総支払い保険料額3,278,768円

 

お年寄り(契約年齢=65歳)

〈男〉月払い保険料額:15,267円、総支払い保険料額3,577,974円

〈女〉月払い保険料額:11,835円、総支払い保険料額3,446,825円

 

お年寄り(契約年齢=80歳)

〈男〉月払い保険料額:34,512円、総支払い保険料額3,586,487円

〈女〉月払い保険料額:25,179円、総支払い保険料額3,577,432円

 

それぞれの年齢と金額をグラフにしてみました。

 

このように、月々の保険料は年齢によって大きく変化します。

総支払い保険料額も、高齢になるほど高くなる傾向にあります。

男女によって差があることもおわかりいただけたでしょうか。

 

保険への加入を検討する際は、月々の保険料の金額も大切ですが、保険料の総額を考えることも大切です

 

契約後の保険料は基本的に変動しない

先ほど2018年に標準生命表が改定され、保険料に変化が現れることについて述べましたが、対象となるのは新規契約のみです。

すでに契約している分については、保険料の改定が影響することはありません

 

また、年齢によって死亡率が上がるのに、契約中に歳を重ねても保険料が上がらないのは、『平準保険料方式』を採用しているためです。

これは、年齢ごとの死亡率によって求められる保険料(『自然保険料』と言う)を、保険期間中均一の保険料になるように平準化する方法です。

 

一方、年齢ごとに保険料が上がっていく『自然保険料方式』といった考え方もありますが、現在販売されている保険ではほとんど採用されていません

高齢になるほど保険料が高すぎる数字となり、一般の方のニーズに合わないためでしょう。

 

保障額は保険料によって変わることはない

時々勘違いされる方もいるのですが、「もしも」のときに受け取れる保障額は年齢によって変わることはありません

「月々の支払う保険料や今までの総支払い保険料額が少ない人は、受け取れる保険金額も少なくなる」といったことはありませんので、ご安心ください。

 

同じ保障額でも、契約タイミングや払込方法などをよく考えよう!

年齢によって保険料が変わる仕組みについて理解いただけたでしょうか。

月々の保険料を抑えたい場合、健康なうちに、誕生日を迎える前(保険年齢方式であれば誕生日から7ヶ月経過する前)に加入することをおすすめします

その他にも、払込期間や払込方法によって保険料を抑えられる方法があることも知っておきましょう

 

また、保険料や保障の金額は保険期間を通じて原則変わることはありません

いざというとき、どの加入者にも同じ保障額を担保するために、個々の保険料が調整されているのです。

保険料の仕組みを知り、賢く保険を選びましょう。

 

自分だけで保険を検討するのが不安だという方は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみてはいかがでしょうか。

何歳でどの保険をどのように契約すればお得になるのかシミュレーションを作成してくれたり、ちょっとした素朴な疑問でも答えてくれたり、保険初心者の方にとって味方になってくれる存在です。

無料で相談できる窓口があるので、保険の不安はしっかり解消してから契約に臨みましょう!

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