保険の基礎知識

保険料節約のためにチェックしておきたいポイント

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保険に加入すれば、死亡・病気などの万一の場合に必要な保障を受けるため、必ず保険料を納めなければなりません。

しかし、できるだけ保険料を安く抑え、効率良く将来のリスクに備えたいと考えるのは当然です。

 

保険料を節約する方法はさまざまあります。

今回は、保険料節約のポイントをお伝えします。

 

保険料を節約するのって問題ないの?

生活費の捻出のため、あるいは貯蓄のため、節約を考えるとき、家計のどの項目をまず削ろうと考えますか?

食費、住宅費、光熱費、通信費、あるいは娯楽費など、あらゆる選択肢を考えるかもしれませんが、保険の見直しには手をつけない人が多いようです

 

将来のために必要だから、今解約すると損をするから、など、理由はさまざまですが、もしも必要ない保障のために保険料を払っているなら、『節約の余地あり』です。

保険の節約を考える上で、まずは『必要保障額』の考え方、そして妥当な『保険料負担額』について考えてみましょう。

 

必要保障額とは

必要保障額とは、死亡保障として確保しておきたいお金の目安額です。

遺族の生活費や教育費などの必要な費用から、死亡後に入ってくるお金(遺族年金、貯蓄、収入、退職金など)を差し引いた金額が、必要保障額です。

一般には、あなたの死後、家族が生活を立て直すまでの3年間の年収と、子どもがいれば子どもの教育費分があればよいとされています。

 

  • 必要保障額=遺族の生活費+教育費−死後入ってくるお金
  • 必要保障額の目安=年収×3+子どもの教育費

 

当然ながら、家族の形は生涯を通じて一様ではありません。

収入も変化します。

必要保障額は、世帯構成、収入、子どもの教育プラン、親の年齢や介護予定などによって変わってきますから、都度見直しを行うことが大切です

各保険会社、必要保障額のシミュレーションサイトを用意しているので、わからない方は参考にしてみてください。

 

〈参考:各社サイトの必要保障額シミュレーション〉

 

必要保障額と保険料のバランスが大切

必要保障額がわかったら、次は保険料について考えましょう。

必要保障額をカバーするため、できるだけ大きな保障を確保しようとすると、当然ながら保険料の負担が重くのしかかります。

そのせいで生活が困窮しては元も子もありませんから、基本的には必要保障額以上に備える必要はありません

 

保険料の金額は、一般に年収の3〜10%が妥当と言われていますが、人によって生活スタイルは異なりますから、あまり参考にはなりません。

自分の生活費や貯蓄額、借り入れ状況を洗い出し、家族のライフプランを踏まえ、保険料にいくら充てられるかきちんと計算しましょう

その上で、必要保障額を確保するためには、どの保険が妥当なのか検討すべきです。

終身保険、定期保険、貯蓄型保険など、複数の保険を組み合わせて加入することがおすすめです

 

必要保障金額と人生のタイミング

必要保障額は、就職、結婚、子どもの誕生、住宅購入、子どもの独立、退職など、ライフステージによって変化します。

それぞれのステップに分けて、考えてみましょう。

 

就職したら保険に入らなくてはいけない?

学校を卒業し、就職するタイミングで初めて保険に接する方も多いと思います。

「社会人だから保険に入らなくては」と思い込んでいる人も多く、職場に保険の営業社員が訪れて、言われるがままに保険に加入した…そんな話もよく耳にします

 

しかし、保険の必要性と必要保障額を考えてみましょう。

万一自分が亡くなったとき、誰かにお金を残す必要があるでしょうか。

親の生活費を負担している方は、「親のために」保険に加入するという考え方もありますが、親がまだ若く、現役であれば、大きな保障は必要ないと考えることができます

備えるとすれば、葬儀代をまかなえるお金があれば十分でしょう。

 

就職してから結婚するまでは、偶発的なリスクに大きな備えを用意するより、将来の家族のために貯蓄で備えを作るのがよいでしょう

 

結婚したら本格的に保険で備えを!

結婚は、最初の保険見直しのタイミングです。

自分の収入、配偶者の収入、そして貯蓄額を踏まえ、自分にもしものことがあったとき、「葬儀代や配偶者の生活費のために」どれくらいお金を残すべきか考え、保険を検討しましょう。

しかし、大切なのは今の生活です。

高すぎる保険料のために、生活費を圧迫しては本末転倒ですから、最低限の必要保障額があれば十分だと考えましょう。

 

また、必要保障額だけでなく、それまで加入していた保険の受取人が親になっている場合、配偶者に名義変更することも重要です。

 

子どもの誕生は人生でもっとも大きな保障が必要となるタイミング

子どもが誕生したら、「子どもと配偶者のために」保険に加入する意義が高まります。

子どもの独立まで、生活費、教育費はどれほど必要か考え、万一の場合に備えて必要保障額を見直しましょう

 

文部科学省が発表する「平成26年度子供の学習費調査」によると、教育費の目安は以下のとおりです。

また、大学費用は入学金を別として、国立の場合年間の平均授業料535,800円、私立の場合868,447円が平均的な数字です(文部科学省『国公私立大学の授業料等の推移』より)。

 

以上のことから、

  • 公立の幼稚園から高校まで在学、国立の大学に進学した場合:約1,000万円
  • 幼稚園から大学まで私立の場合:約2,300万円

が目安となります。

参考:文部科学省 平成21年度文部科学白書

 

必要保障額は、上記の教育費と配偶者・子どもの生活費の合計額から、本人の死後入ってくるお金を差し引いた金額となります。

 

住宅購入で必要保障額が減るかも?

ローンを組んで住宅を購入すると、必要保障額を減らせる可能性があります

負債を抱えるのだから、「より多くの備えが必要となるのでは?」と思うかもしれませんが、住宅ローンにも保険の機能があるのです。

 

住宅ローンを利用する際は、『団体信用生命保険(通称:団信)』に加入します。

万一、債務者が死亡、または高度傷害状態になったとき、団体信用生命保険からローンの残債が返済されることになるのです。

遺された家族は、世帯主亡き後、住宅費の負担がなくなるため、生命保険で保険金を確保する必要性が低くなります。

 

ただし、団体信用生命保険でまかなえるのはあくまで住宅ローンのみです。

生命保険そのものを解約してしまうと、生活費や葬儀代、教育費などが足りず困ってしまうおそれがありますから、必要保障額を見直し、減額などを行い調整するのがおすすめです。

 

子どもの独立後は長生きへの備えを

子どもが就職・結婚し、独立したら、誰かのためにお金を残す必要は少なくなり、死亡保障の必要性は低くなります。

保険は「自分(夫婦)のために」入るべきでしょう。

退職後の収入減による生活費の補てん、医療・介護サービスを受ける必要が生じたときの費用など、長生きに備えた保険がおすすめです。

 

ただし、高齢になるほど保険料は上がります

収入が少なくなる老後に、大きな保険料の負担を抱えるのは不安がありますから、老後の生活への備えは、計画性が大切です。

 

節約は簡単に考えてはいけないからこそプロに相談を

独断で保険の節約を考えると、必要な保障を削ってしまったり、反対に必要でない保障を残してしまったり、不適切な判断をしてしまうおそれがあります。

ですから、見直しごとに必ずファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、アドバイスを参考に保険を選びましょう

 

しかし、すべてを人任せにしてしまうとさらに必要かどうかわからない保険に加入してしまうかもしれませんから、自分でも保険の知識を増やし、節約のポイントを知っておくことが大切です。

 

必要保障額の大きい時期だけ定期保険で備える

上記でライフステージごとの必要保障額の考え方を説明しましたが、やはり目を引くのは子どもの誕生以後の費用ではないでしょうか。

しかし、数千万円単位の保障を保険で備えようとすると、保険料負担も大きくなり、生活費を圧迫してしまうおそれがあります。

 

そこで、定期保険を活用する方法がおすすめです。

定期保険は、掛け捨てではありますが、終身保険よりも保険料がかなり割安です。

定期保険には、保険期間が10年、15年、20年と限定されているもの、あるいは、60歳、65歳、70歳までなど、保障がある一定の年齢までで終了するものがあります。

子どもの教育費が必要な時期は限られていますから、定期保険を賢く利用し、大きな備えを用意しましょう。

 

さまざまな保険を活用しよう

当然ながら死亡ばかりが経済リスクではありません。

万一、働けなくなったときには就業不能保険や所得補償保険が、病気のリスクには医療保険やがん保険が役立ちます。

老後への備えには個人年金保険もおすすめです。

 

また、先に説明したように、必要保障額は結婚・出産あたりでピークを迎え、年齢が上がるほど下がります

このような必要保障額の減少をあらかじめ予測し、保険金額が年齢とともに減っていく『逓減定期保険』に加入するのも一つの手です。

 

解約→新規契約ばかりが保険の見直しの選択肢ではない

保険の見直しというと、今契約している保険を解約して新たに保険に加入するという固定観念にとらわれる人が多いですが、そればかりが選択肢ではありません。

減額・増額、特約の解約・中途付加、払済保険・延長保険など、方法はさまざまあります

 

【保険金の減額・増額】

必要保障額の増減に合わせて保険金額の『増額』や『減額』を行うことも一案です。

減額した部分の保険料は減り、解約返戻金があれば受け取ることができます。

増額の場合、改めて告知が必要ですが、新規で加入するよりも保険料を安く抑えられる可能性があります。

 

【特約の解約・中途付加】

特約を解約・中途付加する方法もあります。

特約とは、保険の土台となる『主契約』を補う保障部分で、契約者が任意で付加することができます。

保険料は、主契約部分と特約部分、それぞれにかかります。

余計な特約がついていれば途中で解約すべきですので、どのような特約がついているのか契約内容をご自身で必ず把握しておかなければなりません

 

【払済保険・延長保険】

他にも、保険を解約せずに、保険料の払い込みを停止する方法があります。

それが、『払済保険』と『延長保険』です。

 

払済保険とは、保障期間を変えずに保険金額を減額する方法です。

延長保険は、保険金額をすえおきで、保障期間を短くする方法です。

いずれも、変更時点での解約返戻金を原資に、一時払い保険料に充当することで、以後の保険料の支払いをまったく無くすことができるのです(ただし、特約が消滅するので注意)

 

その他、安い保険の見極め方

まったく同じ条件下で、同じ保険金額でも、保険会社や商品によって保険料には差があります。

これは主に、『付加保険料』の割合が異なるためです。

 

保険料は、『純保険料』と『付加保険料』で構成されます。

純保険料は将来の保険金の支払いに充てられる部分。

保険の原価とも言えます。

そして、付加保険料は純保険料以外の、保険会社の経費に充てられる部分です。

人件費、広告宣伝費、店舗の運営にかかる固定費などが含まれます。

当然ながらこのような費用が多くかかっている会社の商品は、付加保険料の割合が高く、保険料そのものも割高になる傾向にあります

一般に、主に対面販売(訪問販売)を行う国内大手生命保険会社の商品の保険料は高く、直接販売するネット系生命保険会社の商品は安いと言えます。

さまざまな商品を比較した上で、自分に合った保険を選び、見直しを行いましょう。

 

純保険料と付加保険料について詳しくは、『保険料の仕組みを知らないと損をするかも!?』をご覧ください。

 

保険料節約は可能!ただし、必要保障額とタイミングは要確認

保険は住宅に次ぐ大きな買い物と言われるほど、生涯払い込む保険料の総額は極めて大きいものです。

保険期間が数十年にわたる商品も少なくありませんから、月々わずかな額の節約でも、トータルでは大きな差が生まれます

見直しを後回しにすると、後悔するおそれも

適切なタイミングで見直しを行ってください。

 

節約できるかどうかをプロに相談し、アドバイスを受けるのもおすすめです。

保険以外の金融資産の状況や社会保障を踏まえた判断が必要ですから、総合的な提案ができるファイナンシャルプランナーなどに相談してみましょう。

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